愛・笑い・異常

「パンチドランク・ラブ」という奇妙なラブコメ映画を見た。僕はラブコメではあまり笑えない性質というか、ぶっちゃけ何が面白くて「ラブ・コメディ」というジャンルが成立しているのかもよくわかっていない。笑いたいのかロマンスを見たいのかどっちなんだ…

玉虫色のモチベーション

最近、動機不純ということについて考えている。 正しい動機、清く正しく美しくという動機がある一方で、人に言っても通用しないような動機がある。だが、動機がなんであれ結果が良きものになればそれでかまわない。結果良ければすべて良しである。そもそも動…

愚にもつかないことをつい口にしてしまい後になってそのことを思い出して落ち込むという嘘

愚にもつかないことをつい口にしてしまい後になってそのことを思い出して落ち込むということはないだろうか。 ある。 僕の口癖に「なるほどね」というのがある。相槌を打つときに、あまり気がない場合、ついつい「なるほどね」と言ってしまう。気がないとは…

きのう見た虹

ぼくは悪態をつきたい……ぼくは悪態をつきたい……— キリーロフ (@Kirillov_bot) 2015, 3月 8 僕は善意の場所で過ごしてきた。誰もが善意にあふれているとはいかないまでも、基本的におたがいの善意を元にして対人関係を築くような、悪意というのは例外的なふ…

今日の日の思い出

今日、帰りの電車でラッキーなことがあった。そこそこ疲れて座席に座ると、左隣にきれいな女の人が座っていた。 自分が乗車したのは始発駅だったので、その後、発車時間近くになると右隣にもだれかが座ってきた。きれいな女の人だった。その人の顔は見なかっ…

ピースのかけら

つなげて考えようとしてしまうのって何なのだろう。 いろいろのことが起こると、それらのあいだに因果関係や、なにかしらのつながりを感じ取ってしまうことがある。実際にはなんの関係もなく、つながってもいないとしても、そういうつながりはあるように思え…

正しい犬の鳴き方について

犬はワンと鳴くというのはこれはもう言わずもがなの常識である。 ところが、犬はワンとは鳴かないのである。しかも、これはこれであたり前田のクラッカーなのである。この世界はややこしい。 こういうことを言い出すと、わかる人には何を今更顔をされるし、…

ヒッピーハッピーイェー

このあいだ、とある奇妙な居酒屋に行って見知らぬ人たちとお酒を飲んだ。 どこか得体の知れないところがあるような人たちだけど、その分、優しそうでもある人たちだった。僕はお酒を飲めば全員友だちと常日頃から考えているので、最初のほうは謎の居酒屋の…

チェーホフ一読のすすめ

僕は別に、何か特別なものになりたいとも思わないし、偉大なものを創りだそうという気もないけど、ただ、生きつづけて、夢を見、希望をもち、どんなところにでも遅れをとらずに駈けつけたいだけなんだ…… ロシアには偉大な作家が三人いる。トルストイ・ドスト…

「やさしい人」

フランスといえばおしゃれの代名詞である。フランス映画ともなると、これはもうおしゃれの権化である。ミニシアター系の映画の中でもフランス映画はハイセンス加減が半端無く、シネフィル気取りの鉄板である。ミニシアター系の映画館で何を見るか迷ったとき…

リズムが求められるとき

こないだの日曜日、ホドラー展を見に行ってきた。 去年、日曜美術館というNHKの番組でホドラーが取り上げられているのをたまたま見て「これは見に行かねば」と思って見に行った。が、期待感が高すぎたのかそこまで強い印象を残さなかった。 というより、日曜…

前進だけが能じゃない

今回は一番言いたいことを書こうと思う。 「前進」について。 気づいたのだけど、僕の周りには前進することが必要だと思って日々生きている人たちがたくさんいる。前へ進むことを規律として自分に課している人たち。彼らは習慣の力も借りているのだろうが、…

「東京飄然」町田康 【読書感想文】

東京飄然 (中公文庫) 作者: 町田康 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2009/11/24 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 18回 この商品を含むブログ (18件) を見る 旅に出たくなった。なぜか。理由などない。風に誘われ花に誘われ、一壺を携えて飄然と…

文学愛好者の敗北主義について

知り合いに負けることをものすごく嫌がる女の子がいた。 大体の人が「なんとなく負けたくないな」とか「勝つのと負けるのとだったら勝つほうがいい」と思うような時はもちろん、ほとんど勝敗を意識しないような場面でも、その子は負けることをおそれ、自分…

逆に名優じゃない俳優を教えてほしい

人間、興味のないものについてはその名の通り受け取るという傾向がある。たぶん心理学的になんとかいう名前が付いている現象だと思う。ついさっきそんなことを思った。 たとえば俳優の演技力について。巷ではよく名演技だとか大根だとか言って俳優の演技を…

女子!

好きというのはどういうことなのか。これまであまり考えられてこなかった問いを問う時が来た。 先日、テレビ初放送になった「風立ちぬ」を見た。続けざまに漫画「ハウアーユー?」を読んだ。この2作品に共通するのは、好きというのはどういうことなのかにつ…

【緩募】畏友

若者にへつらい、思考の師たらんとするような連中は信用するな。(『カイエ』シオラン) 自分は今まで尊敬する人に出会ったことがない。「こころ」の先生のような。 だから師匠というものを持ってみたいような気持ちになることがある。その人が「白」といえ…

バレンタイン再考

バレンタインデーが終わって早一週間。傷も癒えぬうちに反省点をまとめておかなければならない。辛いけれどそうしないことにはすぐに忘れてしまうので。 今回のバレンタインデーでは積極的に前に出る方法をとった。そのこと自体は今でも前進だったと思ってい…

なにかをわるいということ

何かを悪いと云うのはとても難しい 僕には簡単じゃないことだよ 毅然とした対応が必要となることがある。はっきりとノーと言うべき局面がある。 差別的な発言に対してはノーと言わなければならない。いろいろな要素が混ざり合うのが実際の場合なので原理的に…

コーエン兄弟監督作「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」

日曜よる9時からの「オモクリ監督」という番組がおもしろい。お笑い芸人を始めとするタレントが監督になって短い映像作品を作って流すという番組だ。毎週設定されるテーマをのぞけばどんな映像にするかは監督の自由なので、それぞれの個性や実力がモロに反映…

「ペスト」アルベール・カミュ【読書感想文】

ペスト (新潮文庫) 作者: カミュ,宮崎嶺雄 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1969/11/03 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 104回 この商品を含むブログ (78件) を見る むかし、世紀末思想というのが流行ったらしい。ノストラダムスの大予言というやつだ。…

風雲急を告げとるで

お褒めに預かり光栄です。 「声に出して読みたい日本語」という本がいつかベストセラーになったことがあったが、僕にもいくつか声に出して読みたい、というか「使ってみたいこのフレーズ」というフレーズがある。↑の言葉もそのひとつ。 基本、会話において機…

バレンタイン考

虚無感の問題は時に和らぐことはあっても尽きることはない。おそらく死ぬまで続くだろう。君にも僕にもそういった深淵はいつか覗く。意識するにせよしないにせよ。遅かれ早かれ。ぞっとしない話で申し訳ないが、これは事実だ。 しかし心配するには及ばない。…

もっと頂戴

社交辞令を言われると嬉しい。 なんだかんだ世の中の人たちは優しいので機会があれば僕とも喋ってくれる。 そんなに仲良くないのに話しかけてくれる人たちは本当にすごいと思うし、僕なんかには本当に輝いて見える。でも僕にも頑張ろうと思う時はある。僕は…

ドライヤーが爆発する夢の話

よくヘアドライヤーが爆発する夢を見る。僕だけじゃないと思う。 夢といっても寝てる時に見る夢ではなく、起きている時に思い浮かべるイメージのことだ。白昼夢というか。ヘアドライヤーを使って髪の毛を乾かしていると、毎回、使用中の手に持ったドライヤー…

定番の

人それぞれ定番の悪夢を持ってると思う。 僕の定番はブレーキの効きが異常に悪い自動車を運転させられる悪夢だ。 現実世界での僕はいわゆるペーパードライバーなので運転に関して潜在的に恐怖を抱えている。たぶんそのことが影響してそういう夢をみるんだと…

コスプレ感覚

じつはコスプレが好きだ。 こんなことを言うとヘンタイだと思われそうだが、それはちがう。コスプレが好きと言っても僕の場合、見るのが好きなわけではなく、するのが好きなのだ。 十八番(おはこ)はなんといっても〈酔いどれ詩人〉のコスプレで、大学生の…

ダサいセーターを着るとき

男には泣くほどダサいセーターを着たくなる時がある。それも無性に、名状しがたい衝動とともに、なりふりかまわず、乱暴者の気分で、見るも無惨な極悪セーターを着たくなるのである。なぜか有頂天になって。 しかし、そういう輝ける一瞬は得てして持続しな…