2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

質問上手は生き上手

夏目漱石に「夢十夜」という短編がある。「こんな夢を見た。」という文章から始まる夢の話を十並べた小説で、幻想小説として有名な作品である。夢の話というと、退屈な話の代名詞にもなるぐらい、一般につまらないと思われている。現実感というものが物語に…

瞬間の美学

日々の面白というのは大変によわい立場にあります。というのも、面白とは、それを面白として認識する人がいてはじめて面白なのであって、誰にも認知されないでただただ光り輝く天然自然の面白というのは存在しえないからです。 一瞬一瞬というのは本当に一瞬…

分別ざかり

分別ざかり サルトルの「自由への道」を途中まで読んだ。 第一部は「分別ざかり」といって、主人公のマチウがある選択を迫られる3日間の話だ。舞台は1938年6月のパリである。高校の哲学教師のマチウは自由を信条として生きる34歳、彼に迫る選択はパートナー…

ゴミだらけの路地

本が好きということと、自分が好きな本が好きということの間には大きな溝がある。音楽が好きということと自分が好きな音楽が好きということも同じだ。映画も、テレビも、絵も、なんでもそうだ。僕は本が好きでよく本を読む。しかし、それはどんな本でも活字…

何事もコンディションに応じるということ

自分が面白いと思う物事は体調のよさに支えられている。 面白いことのほとんどはある程度の負荷がかかる。そういう負荷がかからないと、何か物足りないということになるんだと思う。無条件に、何の労力もなく、ただただ与えられるだけの面白さは、いくら量…