みんなリトルプリンスを見ればいい

 

「リトルプリンス 星の王子さまと私」を見た。とてもよかった。原作未読の人もまずは映画館に行ってほしい。後悔しないと思う。見てから原作を読んでもいい。言っておきますが「星の王子さま」は人生の必読書です。
原作を読んだことがある人はどうしても見に行くべきだ。内容を忘れているなら映画を見て思い出し、それから読み返せばいい。
原作が好きだという人は当然見に行っているものだと思うが、万が一まだ見に行っていないのなら絶対に見に行くこと。忙しいというのが言い訳にならないなんて、「星の王子さま」好きなら常識でしょう。もし、原作の雰囲気や自分のなかにある大切なイメージを損ねたくないとおそれているのなら、それは杞憂です。とても丁寧に作られていてなおかつ「星の王子さま」とは別の作品で、原作へのリスペクトが尽くされつつも神聖化したり教義化されておらず、いい距離感を保っている。万万が一合わなかったとしてもあなたの中の大切なイメージが損なわれることはないです。
とにかく「星の王子さま」を読んで、「リトルプリンス」を見に行ってほしい。絶対に損はしない。というか得する。損とか得とかそういうのじゃないんだけど、これを読んでいるとコミュニケーションのレベルがひとつ上がる。僕はこの本を読んだ人同士でしか到達できないコミュニケーションの領域があると思っています。それはたとえば「カラマーゾフの兄弟」も「魔の山」も同じなんだけど、そういう本は「イワンみたいなことを言う」「セテムブリーニみたいな奴」というショートカットが使えるという卑近なことから、あの小説体験を共有しているというわりと遠大なことまで幅広くカバーするわけです。あまり読んでいる人が多くないということから自然と仲間意識が生まれるというボーナスまである。
 
じゃあ星の王子さまを読んで何が良かったのか言ってみろということになるんだけど、星の王子さまについて何か言うのは簡単なことじゃない。とてもわかりやすく大切なことが明示されてる作品なので、斜に構えて見ることはできない。真正面から物事を捉えてそれを記述するというのは一番むずかしいことです。僕には簡単じゃないことだよ。
だからとにかく読んでほしいとしか言えない。「星の王子さま」を読んでほしい。本を読む習慣がある人もない人もこの本だけは読んでほしい。まずは映画を見て、それから読んでもいい。映画を見ないで読んでもいい。でももし読んだら映画も見たくなるはず。自分は「リトルプリンス」を吹き替えで見た。松任谷由実の主題歌がとてもよかったです。
 
星の王子さま」は人気作品なので翻訳がたくさんある。おすすめは何といっても内藤濯の訳。フランス語のことはよくわからないけど、内藤濯訳は詩的で日本語がきれい。すごく入り込みやすい言葉づかいで書かれています。「子供の言葉」といってもいいかもしれない。「子供の言葉」というのは悪口で言っているんじゃありません。映画を見るか原作を読んだ人にはそれがわかると思う。
 
 
 
 
 

 

星の王子さま―オリジナル版

星の王子さま―オリジナル版

 

 

星の王子さま」翻訳は数あれどオリジナル版がぜったいおすすめです。